お知らせ

家族信託モデルケース3 ~福祉対策としての家族信託~2018.10.06

質問

子どもは重度の障害を抱えており、普段の生活でもサポートが必要です。

私たち両親が亡くなった後、入居するであろう施設での生活や、私たちの残す財産が子供にとって最良な方法で使われるかどうか心配しています。

回答

成年後見制度を利用することにより、判断能力のない子に代わり、後見人がその生活について身上監護(直接の介護や看護を行う訳ではありません。生活を維持するための契約を行う等の法律行為を行うという意味になります。)と財産管理を家庭裁判所の監理下で行うことは可能ですが、成年後見制度においては、子供が亡くなった時点で残った財産をどう処分するかを後見人に託すことはできません。この場合において子供が亡くなった場合、子供の兄弟等の相続人がいなければ国庫に帰属されます。

家族信託を利用する場合、信頼できる第三者に財産管理を任せつつ、子供が亡くなった際の財産の帰属先まで決めておくことが可能です。

具体的には父親が委託者兼第一受益者、母親が第二受益者、そして子供を第三受益者とし、信頼できる第三者を受託者とします。

受益者全員の死亡で信託は終了し、財産の帰属先を受託者としたり、子供がお世話になった施設に寄付する等を定めておくことができます。

なお、受託者が適正な財産管理ができているかについて信託監督人を定め監督することも可能です。