質問
兄弟3人でアパートを相続しましたが、長男は相続したアパートの近くに住んでおり、長男と長男の息子で管理しています。
他の兄弟は遠方に住んでおり、また、兄弟全員が高齢であるため、将来的に兄弟に相続が発生したり、判断能力が低下するなど、今後の事が心配です。
回答
共有名義の不動産を管理したり、処分する場合、他の共有者の同意が必要となります。
質問のケースにおいて、兄弟の1人の判断能力が低下してしまった場合、管理においては過半数の同意で足りますので、アパートの賃貸契約の更新等については進める事が可能ですが、売却等の処分行為をするには、成年後見制度を利用しないと不可能になってしまいます。
また、兄弟に相続が発生した場合、兄弟の相続人が共有者になるため、共有者が増えることになり、管理処分の手続きが複雑になってしまいます。
解決策として、長男の息子を受託者とし、兄弟全員を受益者としてアパートを信託します。
これにより兄弟の判断能力が低下したり、相続が発生したとしても、長男の息子が兄弟の状況に関係なく管理処分をする事ができるようになります。
なお、共有者に相続が発生した場合、アパートを相続するのではなく、受益権を相続することになり、アパートより発生する経済的利益のみを享受する事になります。